
NTTドコモと富士通が17日の「らくらくホン プレミアム」発表会場で東芝が製造し、ソフトバンク モバイルが販売する「かんたん携帯 SoftBank 821T」の製造・販売の差し止めを求め、東京地方裁判所に仮処分命令の申し立てを行なったことを明らかにした。不正競争防止法に基づく申請ということらしい。
NTTドコモによれば「両方らくらくホンと思いませんか?というところが今回の発端になっている。らくらくホンという物作りだけではなく、富士通とともに各地のショップで携帯電話の使い方を紹介する勉強会も開催した。こういった積み重ねがあって、らくらくホンは進化してきたのであって、それに酷似している商品を出すというのは、法的手段が必要になると判断した」と説明した。
表向きの理由としてはもっともな部分もあるが、NTTドコモと富士通のお家事情という面もないとはいえない。ドコモの主張する現在のらくらくフォンのスタイルはドコモと富士通が作り上げてきたものかもしれないが、表示文字やボタンを大きくしたり、簡単な操作でお年寄りにも使いやすくといった方向への取り組みは2001年にはJフォンが「シンプルフォン」、2004年にはツーカーが「ツーカーS」で取り組んでる。こうした経緯を経て、らくらくホンにつながった部分が少なからずあるのではないだろうか?またドコモ自体も他社のいろんな部分を取り入れてきた部分もかなりある。
そもそもユーザー、特にお年寄りの利便性を考えれば、同じようなデザインや操作性の携帯が出ることはキャリアの移行をする場合、メリットはあってもデメリットはないはず。特にソフトバンクやホワイトプランやホワイト家族24で料金面でもお年寄りが子供や孫と話したりメールする場合にもやさしいので、ドコモから移行する場合も十分ありえる。
これがiPhoneやその他海外メーカーのようにデザインやUIが突出したオリジナリティを持っているなら話は別だと思うけど、ボタンの大きさや形状、位置などで不正競争防止法なんてことを言い出したら、逆に独占禁止法に抵触するんじゃないだろうか? 日本のようなキャリア主導の端末やサービスじゃなければ、もうちょっと違うことになるんだろうけど……。
まぁ富士通自体は携帯電話部門に関しては売り上げのほとんどをらくらくホンが上げているわけで、その販売台数が821Tによって鈍化することになれば、F9xxシリーズの開発費を回収することが難しくなり、最悪だと富士通も携帯電話製造から撤退なんてことになりかねない。ドコモもホワイト家族24と821Tで例え、数パーセントでもお年寄りとその家族がMNPで転出という事態は防ぎたい……ってのが本音じゃないんだろうか?結局ユーザーの利益や利便性じゃなくて、低下する自社利益を守ろうと必死の2社の悲しさが見えてくる。真似されるのは誇りだし、より良いものを開発したらいいじゃない!

そんなドコモと富士通が仮処分申請を発表したのは、富士通製の「らくらくホン プレミアム」の発表会。
でも、この携帯にらくらくホンと名づける時点で2社の迷走が見えます。キーは形状こそらくらくホンを踏襲してるものの、肝心のキーサイズは普通の9xxや7xxシリーズ同様で小さく、しかもワンセグやおサイフケータイを搭載したり、画面も90度回転しちゃいます(笑)。
お年寄りが小さな画面でワンセグなんて見るんでしょうか? おサイフケータイは確かに便利だけど、各種サービスのアプリのダウンロード方法やそのサービスの登録の煩雑さ、登録時の画面に表記される情報がお年寄り向けと言えるんでしょうか? 東京でいえば、おサイフケータイがシルバーパスに対応するならまだ意味もあるんだろうけど、SuicaやPASMO、さらにいえばiDやEddyなんて対応してても利便性は上がらないと思う。むしろ手続きや入金の手間を考えたらお年寄りには不便じゃん! そんなことより待ち受け時間や通話時間を延ばすことがらくらくホンには大切だと思うんですけどね。
プレミアムなんて意味不明の機種を作るより、まずは端末から一歩進んでお年寄りに便利だったり有効なポータルやサービスという新たなジャンルを作る方がよっぽどドコモを選ぶ理由になると思うんだけどなぁ。言ってることとやってることがチグハグです。まぁDOCOMO 2.0以降迷走しっぱなしですけど(笑)。

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